EXECUTIVE SUMMARY
お話を伺った方
ファストドクター株式会社
代表取締役・医師 菊池 亮様
インタビュアー
株式会社プルーセル
執行役員 島袋 大生
Company Profile
ファストドクター株式会社は、全国の医療機関から構成されている時間外救急プラットフォーム「ファストドクター」を提供する企業。2016年から「救急往診事業」、2019年からは「在宅医支援事業」を展開している。2021年からは急増するコロナ自宅療養者に対し、民間では初めて全国の自治体と連携して往診やオンライン診療を行った。これまでに36の自治体と連携するが、ポストコロナに向けては地域が抱える平時の医療課題解決も視野に入れ、より一層のシステムの普及・推進を目指している。
「生活者の不安と、医療者の負担をなくす」ために。ファストドクターが目指すもの
「働き方改革」で崩壊?日本の医療が抱える問題
島袋 本日はお時間頂き誠にありがとうございます。早速なのですが質問させてください。ファストドクターのサービス構築にあたり、当社が関わる前の課題としてどのようなことを認識されていましたか?
菊池 厚生労働省では、医療の身近な相談先として国民に「かかりつけ医」をもつようすすめています。しかし、一般的な開業医は1人で医院経営をしており、往診対応まで可能なのは1割程度。さらに24時間体制の夜間休日の救急対応のためにスタッフを確保することは、医院の経営的にも困難です。医療需要がピークを迎える2040年に向けては体制整備が急がれますが、2024年からは「医師の働き方改革」がスタートし、いわゆるアルバイト医を雇うことが難しくなることが想定されています。もちろん、過酷な労働環境が改善されることは喜ばしいことです。現状の医療は、そのような医師の負担の上に成り立っているのですが、医療を受けたい人と提供できる人のバランスが大きく崩れる可能性は、国民の大きな不安に繋がります。
ファストドクターは、夜間休日の体制構築に苦しんでいる医療機関をサポートしています。これにより医療機関は、自院で当直医を確保せずとも体制確保が可能になるメリットがあります。弊社のサービスは未来に向けたサステナブルな医療体制の構築という意味で、現行の医療体制をアップデートすることのできるポテンシャルを有していると考えています。しかし、こうした課題意識はまだ業界全体として大きくはありませんので、この状況を理解し、ともに地域医療の強化に取り組んでくださる賛同者が必要でした。
そこで、まずは「ファストドクター」のサービス内容と意義を理解していただくための啓発活動から行う必要がありました。
この部分でお世話になったのがプルーセルさんです。
業界知識のキャッチアップが早く、レベルの高い人材が多い
島袋 外部から営業スタッフを入れる際に「自社採用の方が良いのでは?」という声は社内になかったのでしょうか?
菊池 セールスの人員不足が明確で、どのくらい必要かも読めない状況であれば、グロース段階まで外部リソースを使うのは理にかなっていると思います。もともとプルーセルさんに依頼することを考えたきっかけの一つは、自社営業社員の退職も理由の一つでした。自社採用だけで営業チームを立ち上げる難しさに、焦りを感じていた時です。組織改革の起爆剤になりそうな人材が欲しいと思っても、ちょうどよく採用できる保証もありません。そこで、プルーセルさんから2人の方に来ていただくことにしたのです。
島袋 プルーセルにご依頼されて、いかがでしたか?
菊池 プルーセルさんには社内に常駐していただいたのですが、当社のスタッフにたいして戦略パートナーとしてうまく溶け込んでくれたと思います。経営層が欲しい情報を見やすいように月次でレポーティングしてくれたことで信頼感が増しましたね
島袋 実績が上がってきたことで、心境の変化などはありましたか?
菊池 実は、最初は「お任せしていいのかな」と半信半疑でした。1カ月目は月次データ以外にログも確認していたのですが、2ヶ月目からは「何も心配いらない」と安心できるようになりました。
島袋 実績だけでなく「任せて安心」と思われるほど信頼いただいたのは、どこにポイントがあったのでしょうか?
菊池 プルーセルさんの社員さんの力量が高いということですね。医療の専門知識をキャッチアップし、平均年齢が60歳を超える開業医の先生へのコミュニケーション対応も素晴らしかったです。プルーセルさんと当社では全く違う組織のカルチャーだと思うのですが、そこで元からのスタッフと円滑に業務を進め、申し分ないパフォーマンスを発揮できる人間力には目を見張るものがありました。その爆発力には、社員もみな驚き、スタッフにとって良い刺激となってくれたと思います。
また、フィールドセールスのお二人には毎月の目標に対し常に100%の達成は当たり前で8月には225%も達成して頂きました。当社社員は常時3名~4名体制にも関わらずプルーセルさんは、2名で結果にコミットしてくれたことには感謝しかありません。改めて数字で見ると圧巻ですね。
スタートアップが営業代行を検討すべき時とは
島袋 数ある営業代行会社の中から、プルーセルをお選びいただいてありがとうございます他社を検討されなかったと聞いているのですが、なぜでしょうか?
菊池 実は、プルーセル代表取締役の権田さんが、リブ・コンサルティングにいらした際に面識があって「信頼できる方」だと思っていた経緯がありました。権田さんが代表であるプルーセルさんなら「筋道を立てて考える」文化があるだろうと判断したからです。
実績の面では、対目標450%を出してくれた方もいて、しっかりと結果を残してくれました。感謝しています。小規模クリニックに対するファストドクター営業の「型」ができあがってきたのもプルーセルさんのおかげです。組織として本当に苦しかったところを助けてもらったのには、感謝しかありません。
島袋 もし、プルーセルに依頼されなかったらどうなっていたと思いますか?
菊池 あまり考えたくないですが、ずっと停滞が続いていたでしょうね。あの当時は、営業チームが上手く立ち上がらなかったことで、自分の考えに自信が持てなくなっていました。プルーセルさんに来ていただいて、実績が上がったことで「この事業は市場に求められている」と、手ごたえと安心感を得ることができました。
島袋 世の中には営業代行の会社が数多くありますが、どのような会社と付き合うべきだと思いますか?
菊池 今回は一社のみの検討だったので、説得力に欠けるかもしれませんが……「自社のカルチャーにあった考えができる人材」を派遣してくれるかどうか。私が営業代行の支援形態を常駐にこだわっていたのも、カルチャーフィットの観点からでした。プルーセルさんは私達のカルチャーを理解して、それを体現してくれたと思っています。その根底には、営業代行として契約数にコミットするだけではなく、会社・事業の成長にコミットしてくれるスタンスがあるからだと思います。
島袋 「ファストドクター」が作られた背景や、企業理念、そしてそのサービスの社会的意義を考えると、ファストドクターさんとのご縁は、プルーセルにとっても本当にありがたいものでした。ありがとうございました。
菊池 こちらこそ、ありがとうございました。
取材日:2022年9月21日
- UPDATE
- 2022.11.21