インサイドからフィールドセールス、展示会まで
マルチに動けるプロフェッショナル営業

EXECUTIVE SUMMARY

1.株式会社Shippioは、オンラインで輸出入の発注・管理ができる「デジタルフォワーディング」事業を展開するスタートアップ。シリーズAの資金調達を実施し、急成長していたが故に、人員不足がボトルネックになっていた。新規顧客獲得のチームを早期に立ち上げるにあたって、外部リソースの活用を検討していた。

2.プルーセルは、Shippio社員と共にフィールドセールスにはじまり、コールのためのトークスクリプトとDM作成、インサイドセールスやアポ取りなど、会社のフェーズに合わせた柔軟な対応を行った。結果として、受注数・率ともに大幅に向上した。今後はお客様により高いバリューを提供するためにも営業アプローチの平準化を目指している。

お話を伺った方

株式会社Shippio

Customer Development Manager 真畑 様 ※取材当時

Company Profile

株式会社Shippioは、「理想の物流体験を社会に実装する」というMissionを元に、貿易業務に関するDXを推進する日本初のデジタルフォワーダーです。「フォワーディング」と呼ばれる貨物の輸出入手配に加え、企業の貿易業務プロセス刷新のためのクラウドサービスを提供。貿易業界にイノベーションを起こす企業として注目されています。2021年10月には、経済産業省のスタートアップ支援プログラム「J-Startup」企業にも選定されました。

アナログな業務が主流の国際貿易業務をデジタルで変革したい

友野 Shippioさんは「日本初のデジタルフォワーダー」ということですが、具体的にどのような事業をされているのでしょうか。

真畑 まず、馴染みのない「フォワーダー」についてですが、貿易で貨物を国を超えて運搬する場合には、船・飛行機・トラックなどの輸送業者だけでなく、保管倉庫や、通関など多くの事業者が密に連携する必要があり、その全体の手配業務を行うのが様々な「フォワーダー」です。
そして、商社や製造業といった荷主企業に対して、単なる貨物の輸送業務だけではなく、クラウドサービスを活用し業務の可視化・効率化までを提供するのが、「デジタルフォワーダー」です。

友野 つまり、貿易業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する企業ということですね。貿易は海外との取引なので、デジタル化は進んでいたりしないのでしょうか。

真畑 私が貿易業界に来て驚いたのは、いまだにアナログな処理が主流だということです。フォワーダーが関わる事業者はとても多く、業務が非常に煩雑です。それを紙やメール、電話、FAXなどで確認した情報をExcelに転記したりするなどの方法で月に数百件もの案件を管理しているのです。

友野 それは大変ですね。2020年は、コロナで輸出入が落ち込んだとはいえ、日本の貿易総額は輸出入合わせて約136兆円ですよね。それだけの処理がほとんどアナログとなると、改善した時のインパクトは相当大きい。Shippioさんのビジョンが実現することで、世界が圧倒的に変わりますね。

顧客を業務フロー変更に巻き込む強気の営業スタイルが必要

真畑 一方で貿易は昔からある業界なので、競合他社は設立50年を超える歴史ある企業が多いです。フォワーディングは、貿易に携わる企業からすれば、ミスが有ってはいけない、ある種のインフラです。それを「設立5年の会社に任せてよいのか」という不安を払しょくできるだけの価値を訴求することが、営業に求められる役割だと思っています。

友野 一般企業でも、古参社員の反対でDXがなかなか進まないというのは、よく聞く話です。

真畑 古い慣習が多い貿易業界のDXでは、お客様の業務を棚卸して、改善すべき点を洗い出すことから始める必要があります。
見つかった問題を「どうやって解決するのか」というコンサルテーションも含め、こちらからどんどん巻き込んでお客様の検討をリードしていこうという姿勢が求められますね。

友野 かなり高度な営業技術が必要だと思いますが、真畑さんが入社された時の、Shippioの営業の状況はどうだったのでしょうか?

真畑 実は、私が入社した時には、営業の仕組みがほとんどない状況でした。CRM、SFAにはデータがきちんと整理されておらず、営業社員が使っている資料も基本のサービス紹介資料だけ。

さらに、予実や売上の計測もリアルタイムにできておらず、重要顧客の基準などもなく、一から作らなければならない状況でした。

友野 まさに営業組織を立ち上げていくタイミングだったのですね。

 

自社メディア「CRO Hack」がつながりの端緒

友野 そんな中、どうしてプルーセルにご依頼いただいたのかをお聞きして良いでしょうか。

真畑 営業の仕組み化について、いろいろな情報を探す中でリブ・コンサルティングさんの「 CRO HACK 」を見つけたのが始まりです。その記事が素晴らしかったので、まずは(プルーセルの親会社である)

リブ・コンサルティングさんにご連絡して、友野さんと面談しました。

その後、営業体制を検討する中で、目指しているマイルストーンに対して営業リソースが全く足りていない状況でした。営業メンバーそれぞれの生産性を上げるにしても限界がありますし、採用にも、戦力化までにも時間がかかります。そこで外部リソースを活用してクイックに新規顧客獲得チームを立ち上げることを再度相談したところ、実行部隊として新たに立ち上げられていたプルーセルさんにお願いすることになりました。

友野 当然、他の営業支援会社も検討されたと思うのですが、その時の選定基準や決め手は何だったのでしょうか?

真畑 大きく2つあります。
1つ目は、営業代行を依頼するにあたって、どんなスキルセットと経験のある方をアサインするのかを事前に教えていただいたこと。
2つめは、リブ・コンサルティングさんのグループ会社ということで、営業の知見にも期待できると考えたためです。

 

事業のフェーズに合わせて、柔軟に対応できる幅広い営業力が助けになった

 

真畑 この半年で、至れり尽くせりで非常にお世話になりました。プルーセルさんがいらっしゃらなかったら、私はもう倒れていたのではないかと思います。そのくらい、本当に助かっています。

最初はオンラインでの商談からクロージングまで担うフィールドセールスをお願いしました。その後、商談数を増加させる必要があり、インサイドセールスとして、トークスクリプトやDMの作成、展示会までカバーしていただくなど、事業のフェーズに合わせて柔軟に対応していただいたのが、とてもありがたかったです。

友野 当社のアサインしたメンバーはいかがだったでしょうか?

真畑 貿易業界が未経験の方だったので、オンボーディングとして2カ月ほどの期間が必要だと思っていましたが、お客様との関係構築のためのコミュニケーションや、自分でタスクを定義して自走できるようになるまで1ヶ月弱ととても早く、おかげで、今後の採用時に未経験の方のオンボードがどれくらいの期間できるのかの検証にもなりました。

友野 特にアーリーフェーズでは、こちらから指示を出して動いてもらうより、個々に課題ややるべきこと見つけて、主体的に動くのは重要ですよね。

真畑 はい、スタートアップにおいて、フォーカスは本当に毎月のように頻繁に変動します。その点、プルーセルさんは明確に数字を出してくれるだけでなく、会社の動きをきちんとキャッチアップした上で、何ができるかを考えていただいたアウトプットをいただけるので、本当に助かりました。

 

受注率アップかつ失注理由が明確になり顧客の解像度が深まる

友野 成果も出ているということでしたが、受注率など質が向上したのか、リードが増えたことによって、単純に量が増えたのか、どちらの影響度が大きかったですか?

真畑 量も質も上がっていますね。さらに「なぜ失注したのか」が、以前よりも明確になったと思います。最近の失注は、例えば「当社が倉庫を保有していないから」など、現時点で打つ手がないものが大半です。プルーセルさんのおかげで、営業における仮説検証が一気に進み、それが標準化できてきました。

友野 失注理由が明確になってきたのは、以前は集計する余裕がなかったのと、お客様からその理由を引き出せていなかったということもあるのかもしれませんね。

真畑 現在では、きちんとお客様の業務内容を確認した上で、Shippioの導入でそれがどう変わるかを示して提案できるようになりました。結果的に、失注原因もデータではっきりとわかるようになってきています。

友野 顧客の解像度が上がり、仮説検証を進めていく中でWho、What、Howが明確になったのですね。

友野 これからは 定期的なリード獲得とターゲットを広げながらも営業の型化を進めていくことになると思います。現在抱えている課題はどのようなものがありますか?

真畑 まだ個人ごとにばらつきのある営業アプローチを平準化したいと考えています。特に受注率を大きく左右するクロージングまでのタッチポイントを、どれだけ定型化できるかが課題です。そのために、現在はアクションの定義と、それぞれの営業活動を可視化することに取り組んでいます。

 

Shippioを貿易業界全体のプラットフォームにしたい

友野 御社はこれからどのような未来を作り出そうと考えているのでしょうか?今後の事業展開について教えて下さい。

真畑 まず考えているのは、我々のプラットフォームを、荷主様だけでなく、例えば倉庫や海外側の荷主様など貿易関係者全般に開放していくことです。我々のプラットフォームを利用すれば、全ての業務が効率化する仕組みを作っていきたいと考えています。

さらに、フィジカルな面で言うと、当社もフォワーダーとしてアセット機能を増やし、バリューチューン統合してキャッシュポイントを増やすことです。アセットへの投資を通じて、お客様により広範に渡ったバリューの提供を実現しようと考えています。その先には海外法人を設立し、そちらでも事業展開することも視野に入れています。

友野 とても壮大なお話ですね。これからが楽しみです。

真畑 そうですね。その未来に向かうための一歩目を作っているのが今のフェーズだと考えています。

友野 最後に、プルーセルへの期待や要望を教えていただけますか?

真畑 スタートアップ企業における常として、これからも求められる役割、スキルは頻繁に変わっていくと思います。新しいミッション、仕事に対しては早期にリサーチした上で、プランを立てPDCAを回すことは我々が今後徹底したいことです。そのためにもプルーセルさんからノウハウを随時シェアいただきながら、一緒にレベルアップしていけたらと思っています。

友野 ありがとうございます。これからも引き続きよろしくお願いいたします。

取材日:2021年10月6日

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2023.04.21