EXECUTIVE SUMMARY
- 株式会社PICKは、国内で唯一、国交省より適法に使えると回答を得た不動産・建築特化型電子取引サービス「PICKFORM」を開発。さまざまな営業チャネルを展開し、売上を着実に伸ばしていた。しかし、展示会チャネルは認知度向上には貢献していたものの、リード獲得の割合からみると商談化率が低く、費用対効果が課題であった。そこで展示会を支援することになったのが、これまでも商談獲得でサービスを利用していたプルーセルである。プルーセルは営業支援だけでなく展示会に関しても専門的な知識とノウハウを豊富に持ち、事前の準備から当日の運営、事後のフォローアップまで、ワンストップでサポートを提供していた。
- プルーセル導入の結果、展示会でのリード獲得数と商談数が大幅に増加。特に、商談につながる質の高いリードの獲得に成功した。また、トークスクリプトや切り返しトークなど、実践的なノウハウの提供があった結果、これまで社員だけでは獲得できなかった層へのアプローチが可能になり、モチベーション向上にも寄与。内製化による展示会運営の固定観念を崩し、展示会をより良く運営するきっかけにもなった。経営陣からは展示会を縮小すべきではという議論もされていたが、今回の結果を見て投資継続が決定。今後も展示会を重要なマーケティングチャネルとして活用していくこととなった。
《お話を伺った方》
株式会社 PICK
執行役員 ビジネス事業本部 第一営業部部長兼カスタマーサクセス部部長 阿部幸平様(以下、阿部)
ビジネス事業本部 マーケティング部 木下崇様(以下、木下)
ビジネス事業本部 第二営業部 佐藤大智様(以下、佐藤)
《インタビュア-》
株式会社プルーセル
ディレクター 福山駿
セールスコンサルタント 小倉馨
Company profile
2021年8月創業。「不動産取引を快適に、オープンに」をミッションとし、不動産・建築DXプラットフォーム「PICKFORM」ならびに不動産・建築に特化したBPO(Business Process Outsourcing)サービス「PICKFORM まるなげ」シリーズを提供する。FAXや対面文化が根強い不動産業界にあって「PICKFORM」は国内で唯一、国土交通省から適法と認定される電子取引サービスであり、ユーザーからも使いやすさには高評価。今後のデジタル化へのニーズに応えるサービスとして期待が寄せられている。
https://pick-hp.com/
きっかけは展示会内製化の限界を感じたこと―展示会チャネルの効果を最大化したい
■ 今回、プルーセルに展示会支援をご依頼いただくことになったきっかけについて、お聞かせいただけますでしょうか?
阿部:当社ではずっと「展示会は自社で運営するもの」という意識が強く、外部に依頼するという発想があまりありませんでした。しかし、プルーセルさんから支援の提案をいただいたことで、いま感じている課題解決の糸口になればと思ったのがきっかけです。これまでも商談獲得支援で長いお付き合いをしていたことから、十分な実績があったことが後押しになりました。
■ 展示会運営において、どのような点に課題を感じていたのでしょうか?
阿部: スタートアップの初期フェーズでは、コストと効果検証を綿密に行い、最適なリソース配分を考える必要があります。しかし当時、展示会は積極的に出展していたものの、他のチャネルと比べて費用対効果があまり出ていなかったんです。認知度向上にはつながるものの、商談獲得という即時性はどうしても弱い。
正直、当時は経営陣からは展示会への継続的な投資に疑問の声があり、予算の縮小も検討されていた状況に焦りも感じていました。
木下:私が感じていた一番の課題は、リード獲得数が目標に達していなかったことですね。展示会はリード獲得の重要な機会ですが、ポテンシャルを十分に活かしきれていないと感じていました。せっかく獲得したリードについても、その後のフォローや商談に結びつけられていなかったんです。出展するからには、最大限の効果を発揮したいと考えていましたが、現状はそうなっていませんでした。
■ 社内で展示会の出展そのものについて意見が分かれる中で、望みをかけていただいたのですね。依頼をするときに不安などはありませんでしたか?
阿部:そうですね。私としては、過去の展示会での成功体験があり、展示会そのもののチャネルの力は信じていました。そのためにも課題を打開すれば、ブレイクスルーを起こせるのではないかと。
佐藤:実は私、前職でプルーセルさんに携わったことがありましたので、展示会における商談獲得に長けていることは存じ上げていました。提案も信頼できる内容だったので、これならぜひと思った次第です。
曖昧だった点がはっきりとわかった!展示会支援で社員の意識も前向きに
■ まさかのご縁があったという形ですが、実際にプルーセルの展示会支援を活用してみていかがでしたでしょうか?
木下: 展示会当日だけでなく、前後のフォローがあったことですね。展示会全体の戦略設計から実行、そして事後のフォローアップまで、一貫したサポートがあったのが良かったです。
佐藤:自社にはなかった知見なども共有いただき非常に助かりました。例えば、来場者のランク付けや、断られた後の切り返しトークなど。特に、切り返しトークについては、今までは「断られたら仕方ない」「日程調整は後で連絡すればいい」とチャンスを逃していた部分が多かったと思います。プルーセルさんは逆で、断られても切り返すし、日程調整をその場でおこなう。「ああ、こういうやり方があるのか」と思いましたね。
木下:正直、最初は「どうなるかな」という気持ちがありました。ただ、展示会が始まってから、プルーセルさんのスタッフの方々が来場者への対応を始めて2時間くらいたったあたりから「いけるかもしれない」と早い段階で希望が持てる動きをしてくださり安心感がありましたね。
■ 「いける」と感じたのは、どのような点からですか?
木下: 事前準備で教えてもらった来場者の属性に合わせたグループ分けや、切り返しトークをプルーセルさんが実践しているのを見て、皆が見様見真似で同じようにやり始めたんです。単なる件数ではなく、質の追及に変わり「商談を取る」という意識が浸透していったように思いました。
■ 事前準備が功を奏したというわけですね。プルーセルの社員の働きぶりはいかがでしたか?
木下:プルーセルさんのスタッフの方は、来場者の方がブースに近づいてきた時点で、当社のサービスに興味を持っているかどうかを瞬時に判断していました。嗅覚が研ぎ澄まされているというのでしょうか。スタッフの方2名に来ていただいたんですが、おふたりの連携がスムーズでびっくりしました。
佐藤:動きだけでなくトーク内容も全然違いましたね。
■ 具体的にどのように違ったのでしょうか。
佐藤:訴求のところから、お客さまの困りごとに言及され、PICKのサービスがその困りごとを解決する「国交省から適法な回答を得たサービス」であることを前置きして信頼感を与えてから話を始めていました。いちど断られてからもトークで切り返してブース内にお連れして製品デモまで持っていくという動きも印象に残っています。
商談化率50%!投資対効果の改善から展示会の出展継続へ
■ 実際にプルーセルが支援した成果についてお伺いしてもよろしいでしょうか。まずはリード件数はいかがでしたか?
木下:プルーセルさんのスタッフ2名と当社の社員が獲得した名刺の数はほぼ同じでしたが、人数換算すると、プルーセルさんのスタッフは社員の倍以上のパフォーマンスを出したことになります。具体的に成果として数字で現れたので、やはり動きが全然違うんだろうなと。我々も次回に活かしたいと思うところです。
■ リード件数からの商談化率はどれくらいだったでしょうか?
木下:半分くらいだと思います。まだ固まってはいませんが。嬉しかったのが、プルーセルさんのリードと、当社で獲得したリードの質の差がそこまでなかったことです。展示会後のフォローコール支援もあったと思いますが、やはり展示会中に社員の皆がリードの質を意識して動けるようになったことが大きかったのではないかと考えています。
■ プルーセルのスタッフが展示会に参加することで、社員の方への良い影響があったということでしょうか。
阿部:社員たちも、事前準備で効いたことの実践を目の当たりにして「自分たちもできるんじゃないか」と気持ちの変化があったはずです。それが、展示会実施中に皆の動きが変った大きな要因ではないかと思います。実際に、展示会終了後のミーティングでは、社員から具体的な改善策が提案されるようになりました。以前は「明日から頑張ろう」みたいな内容でしたので格段に意識が進歩したと思います。
■ そういえば、展示会の継続が危ぶまれていた件については、どうなりましたか?
阿部:はい、2025年の予算をどうするかという議論が24年の末にあったのですが、プルーセルさんの支援があった12月の展示会の結果を踏まえ、財務担当から展示会への投資について前向きな回答を得ることができました。大きな進歩です。
展示会を最大限に活用し、事業成長を加速させたい企業に勧めたい
■ 今回の展示会支援を通して、プルーセルをどのような企業に勧めたいと思われましたか?
阿部:そうですね、 展示会での効果的な集客や商談獲得の方法が分からず、成果に繋がっていない企業にはぜひ勧めたいと思います。展示会の出展経験が浅く、ノウハウがないところはもちろん、当社のように内製化していたため自己流になっており、より効率的・効果的な運営を目指したい企業にも適しているのではないでしょうか。
■ ありがとうございます。今後、プルーセルとどのような関係を築いていきたいですか?
阿部:今回の展示会支援を通して、数字的な成果だけでなく、プロフェッショナルな姿勢に学ぶところが多くありました。今後も継続的にプルーセルさんと連携し、展示会を重要なマーケティングチャネルとして活用していきたいと考えています。プルーセルさんの知見とノウハウを共有いただきながら、共に成長していきたいですね。
■ プルーセルとしても、御社の事業成長に貢献できるよう、全力でサポートさせていただきます!引き続きよろしくお願いいたします。
- UPDATE
- 2025.06.09