インサイドセールスは顧客と非対面で進めていく営業方法です。一般的にマーケティング担当者が発掘した見込み顧客を電話やメールなどのツールで定期的にコミュニケーションをとり育成した状態でフィールドセールス担当者に渡します。インサイドセールスは効率的に営業活動を進められるために育成を進める必要があるため、さまざまなデータを活用することが求められます。そこでAIを活用することによってよりスムーズで幅広いデータ活用ができるようになるのです。
インサイドセールスとは
インサイドセールスとは、顧客に非対面で電話やメール、ITツールなどを活用して営業活動をおこなうことです。一般的にマーケティング担当者が発掘した見込み顧客に対してコミュニケーションをとり、見込み顧客を成長させてフィールドセールス担当者に渡すことが主な目的です。そのため、インサイドセールスはマーケティングからフィールドセールスへの橋渡しであるといえます。
従来の営業業務は、営業担当者が見込み顧客の発掘からクロージングまでおこなっており、担当者一人ひとりの負担が大きくなっていました。さらに営業担当者一人に依存することで属人化しているのも大きな課題でした。しかし、インサイドセールスを導入し営業業務を分担することで業務負担を軽減し属人化の防止にもつながっています。
インターネットやスマートフォンの普及により、顧客は必要な情報を必要なタイミングで入手可能です。そのため、営業担当者からの情報のみで購入するケースが減っています。そこで、インサイドセールスを活用して顧客ニーズを把握することで、自社の商品やサービスのニーズがある顧客を絞ることが可能です。そのため成約率が高まり業務効率化につなげることができるのです。
AIを活用したインサイドセールス
インサイドセールスはより効率的な営業活動をおこなうため、MA(Marketing Automation、マーケティングオートメーション)やSFA(Sales Force Automation、セールス・フォース・オートメーション)を使って見込み顧客に対する行動内容や成約までの行動内容などさまざまなデータを活用することが求められます。そこで、AIを活用することによって膨大なデータの蓄積や分析ができ、さらに未来予測ができるのです。
データの蓄積
インサイドセールスにAIを導入することで得られるもっとも大きなメリットはデータの蓄積です。顧客との取引をすべてデータとして蓄積して、豊富なデータをもとに分析して適切な営業方法を提案します。
AIの活用
インサイドセールスにおいてAIを活用することによって、データを蓄積することで未来予測ができます。商品ごと、顧客ごとに今後の売り上げ予測をすることによって、リソースの準備をしたり効率的な営業活動をしたりなどさまざまな方法で活かすことが可能です。
AIをインサイドセールスに活用するメリット
AIをインサイドセールスに活用するにあたって次のメリットが挙げられます。
- 会話のナビゲーション
- 商品戦略や営業活動への活用
- 営業スキルアップ
会話のナビゲーション
顧客1人ひとりに対して、どのような提案をするかをAIがナビゲートします。電話やITツールなどにおいて取引をする場合、商談においての顧客の表情や声などをAIが分析して改善案を提示してくれます。さらに、商談状況をAIが把握し今後成約に向けての行動内容を提案するなどAIが営業活動においてさまざまなサポートをおこなうのです。
商品戦略や営業活動への活用
これまでの営業やマーケティングのデータを蓄積することで、どのような市場(顧客に)においてどのような商品が売れるかをAIが提案できます。さらに、顧客1人ひとりのデータを活用してどの顧客にどの商品を売るべきかもAIが提案するのです。さらに、どの商品またはどの顧客からどれほどの売り上げを予測できるかをAIが予測するため、必要なリソースの準備が可能です。
営業スキルアップ
インサイドセールスにAIを導入することで、営業のスキルアップにつながります。取引内容やトーク内容、そのほか営業活動を自動的に蓄積することにより営業担当者1人ひとりの強みや弱みを把握しコーチングをおこないます。
インサイドセールスにAIが必要な理由
インサイドセールスにAIが必要な理由には次の点が挙げられます。
- 営業に求められる要素の変化
- 業務効率化
営業に求められる要素の変化
インサイドセールスにAIを導入するのは、営業に求められる要素の変化が挙げられます。従来の営業担当者に求められたのは良い商品を良い価格で紹介することでした。しかし、近年ではインターネットやスマートフォンが普及したことによって、顧客は必要な情報を必要なタイミングで調べられるようになりました。このため、顧客一人ひとりのニーズにあった提案をすることが求められます。
このため、営業に関する膨大なデータ管理や蓄積、分析をすることが重要です。人手や通常のシステムだけでは膨大なデータを蓄積し分析するのは容易ではありません。そこで、AIを活用することによって膨大なデータから適切な営業方法を分析したり、未来予測をすることで効率的な営業が進められるようになるのです。
インサイドセールスは顧客1人ひとりにあわせて課題やニーズを把握し、適切な提案をすることが重要です。そのためにも、AIを活用するケースが今後増えていくといわれています。
業務効率化
インサイドセールスにAIを導入することで業務効率化につながります。インサイドセールスにおいて電話でのやりとりをAIを活用してテキストデータ化することが可能です。テキスト化したデータをシステムに学習させることによって、やりとりの情報を蓄積することが可能です。専門的なやりとりが多い業界であっても、AIを活用することによってスムーズなデータを管理、蓄積でき業務効率化につながります。
AIを活用したインサイドセールスの事例
AIを活用したインサイドセールスには次のような事例が挙げられます。
- 損害保険の成約率が2割以上増加
- 営業担当者1人当たりの売り上げが約3割増
参考:インサイドセールスを効率化する!AI活用事例(AIsmiley)
損害保険の成約率が2割以上増加
機械学習と人口機能技術を使ったレコメンデーション機能のあるインサイドセールスを効率化するツールを損害保険会社が導入したところ、成約率が22.9%増加しました。そのほか、営業担当者1人あたりの売り上げが12.5%増えたことをはじめ営業成績が大幅に伸びました。
営業担当者1人当たりの売り上げが約3割増加
アメリカの大手通信会社では、インサイドセールスのツールと、AIを活用したツールを同時に導入しました。AIによる業務改革を進めたことによって、成約率が2.8倍と大幅に増えたほか、売り上げは31%増、成約額は85%増と結果を出すことに成功したのです。
まとめ
インサイドセールスはより効率的な営業活動をおこなうため、データの蓄積や分析が重要です。マーケティング部署が集めた見込み顧客のリストを受け継ぎ、育成してフィールドセールスに受け渡すことからマーケティング部門、セールス部門においてのデータの知識や分析が重要です。そこで、AIを活用することにより蓄積されたデータから効率的な営業ができ未来予測までおこないます。