営業代行を活用するメリット

営業代行とは営業活動を代行会社に委託することです。営業活動における課題を解決する手段として、営業代行を活用する企業は増加傾向にあります。営業代行の活用により、売上の伸び悩みや人材不足、リモート営業への移り変わりに対応できないなどの課題を解決することができます。

ただし、活用すれば必ずメリットを得られるという訳ではなく、費用を無駄にしてしまう可能性も十分に考えられます。有効活用するためには、営業代行のメリットやリスク、注意すべきポイントを理解したうえで検討することが大切です。

営業代行とは

営業代行とは企業の営業活動を一括、または部分的に代行会社へ委託することです。代行を活用している多くの企業は、新規顧客の開拓を目的とした業務や社内の営業部門の強化を目的とする営業コンサルティングに依頼することが多い傾向にあります。法人向けや個人向けに特化したさまざまな代行会社があるため、自社の目的とマッチする会社を選んで活用することが重要です。

営業代行の重要性

営業代行は営業活動における企業の課題を解決することができます。企業の営業活動における課題として、多くの企業でもっとも問題視されているのが人材不足です。営業は労力がかかる割に成果が出にくいケースが多いため、離職率は高く、常に人材が不足しているという状況が多くの企業で見受けられます。

また、もうひとつの大きな課題は、近年急速に進められた営業活動のリモートワーク化です。従来における営業活動のスキルやノウハウを所有していても、データ分析や商談のオンライン化、営業に必要なシステムを使いこなせるといった企業や従業員は多くありません。そこで、営業における課題を解決する方法として最適なサービスが、あらゆる形態の活動に対応している営業代行とされています。

営業代行を活用するメリット

営業代行を活用するメリットは次のとおりです。

• アプローチ数を増やせる
• 人材の採用や育成コストを削減できる
• 人材不足を補える
• 短期間での成果が期待できる
• プロのサポートを受けられる

アプローチ数を増やせる

営業活動のなかでも重要である顧客へのアプローチ数を大幅に向上させることができます。アプローチ件数を増やせば必然的に時間と人材の確保が課題となりますが、営業代行の活用により数多くのアプローチ数を実現し、時間と人材による課題は一気に解決されます。アプローチ件数を飛躍的に増やすにはシステム導入などが必要となりますが、営業代行ではさまざまシステムが備えられているため、社内で設備を整える必要はありません。

人材の採用や育成コストを削減できる

営業活動における人件費の負担を軽減することができます。スキルを身に付けるには長期の取り組みが必要となり、その分コストがかかってしまうことが営業活動で課題となっていました。

そこで、営業代行を活用すると、はじめから営業スキルを持ち合わせた人材に依頼できるため、わざわざ有能な人材を採用したり社員を育成したりする必要がなくなります。また、必要なときのみ業務を委託することができるため、本来なら固定費である人件費を流動的にすることが可能です。

人材不足を補える

まとまった時間と人材の確保が必要な業務を代行会社に依頼し、通常業務からの切り離しにより人材不足を補うことで、社内のコア業務に集中できるようになります。社内ではコア業務よりもノンコア業務に労力をかけなければならないケースも多く、なかなかコア業務に注力できないことも課題となっていました。営業代行を活用することにより、人材不足が解消されるだけでなく、社員が新商品開発や新事業の展開などの業務に集中できるようになります。

短期間での成果が期待できる

営業代行では単なる人材確保のメリットだけではなく、自社では持ち合わせていないスキルやノウハウを持った人材を活用できるため、短期間での成果が期待できます。また、新商品や新サービスの提供をおこなう際に、どのような営業活動をおこなえばいいのか躊躇するような場合にも役立ちます。営業代行を活用することでスピーディーに業務を開始し、早い段階で成果を出すことが可能です。

プロのサポートを受けられる

多くの営業知識や情報を持つ人材によるサポートが受けられるのも大きなメリットです。全国的にサービスを展開していたり、豊富な人脈を持っていたりする代行会社に依頼することで、エリアの拡大や自社では入り込めない業界にアプローチができる可能性も大いに期待できます。また、販路拡大や新しい営業手法などを取り込むチャンスでもあるため、社内にノウハウを蓄積させる工夫をすることも大切です。

営業代行を活用する際のリスク

営業代行を活用する際のリスクは次のとおりです。

• 情報漏洩の可能性がある
• 自社の営業力が低下する場合もある

情報漏洩の可能性がある

営業代行を活用する際にもっとも注意すべき点は情報漏洩のリスクです。自社の顧客や商品の情報を受け渡すことになるため、代行会社による情報の取り扱いには適切な方法を求める必要があります。

業務依頼後に代行会社スタッフによる詳細な業者内容まで把握することは困難であるため、事前にどの程度の情報を共有できるのかを確認しておくことが大切です。代行業者を選ぶ際は情報漏洩の防止に向けて、まずはセキュリティ対策の確認を必ずおこない、信頼のおける会社を選ぶ必要があります。

自社の営業力が低下する場合もある

営業代行への依存が原因で自社の営業力が低下するリスクがあります。業務を代行してもらい、短期間での成果を上げるまではいいですが、契約期間が終了した後は自社で業績を維持していかなければなりません。しかし、社員のスキルアップもままならず、ノウハウも蓄積されていない状態では業績は低下する一方です。

また、代行会社が主体となって活動する場合、自社内の営業担当である社員のモチベーションが低下する可能性もあります。そのため、代行会社に委託する業務範囲と自社内の業務範囲を明確にしておく必要があります。

営業代行会社を選ぶ際のポイント

営業代行会社を選ぶ際のポイントは次のとおりです。

• 豊富な実績とスタッフの質を重視する
• 適切なコストにおさえる
• 自社との適性度を確認する

豊富な実績とスタッフの質を重視する

代行会社を選ぶ際は、これまでの実績やスタッフの質を重視し、営業活動における自社の顔として相応しいかといった点も事前に調べることが必要です。利用者のレビューや口コミ、ホームページなども参考にして信頼性の高い代行会社を選ぶ形が適切といえます。

代行会社のなかには、豊富な営業活動により蓄積されたノウハウを活かしたコンサルティングサポートをしてくれる会社もあるため、目的やコストによっては利用の検討をして良いかもしれません。サービスの質の低い代行会社と契約してしまうと、売上が伸びないどころか自社の信用も失う恐れがあるため注意が必要です。

適切なコストにおさえる

企業の売上が上がっても代行会社へのコストが高くては利益率が低くなってしまうため、依頼する場合は適切なコストにおさえる工夫が必要です。一般的な料金体系には、決められた期間に定額の費用が発生する固定報酬型や成果によって費用が発生する成果報酬型などがあり、依頼する業務内容によって選ぶ形となります。ただし、成果報酬型では報酬を上げるために強引なセールスをおこなう代行会社も存在し、顧客とのトラブルやクレームの原因になってしまうため注意が必要です。

自社との適性度を確認する

営業代行を活用する際は、委託先がどのような業務に対応しているのかを確認し、自社の目的とマッチする代行会社かどうかを見極めることが重要です。会社によって法人向けや個人向けなど得意とする分野が異なるため、どのような業務に強みを持っているのか、過去の事例などを参考に調べておく必要があります。契約する前段階では、自社が営業代行を活用する目的や、どのような成果を出したいのかを明確に伝えると、適性度の高い代行会社が明確となります。

まとめ

営業代行とは企業の営業活動を委託することです。多くの業務や課題を抱えた企業にとって、コストをおさえつつ効率よく業績を伸ばせるという点は大きなメリットといえます。営業活動における人材不足やリモート営業への移り変わりなど、さまざまな課題を解決する手段として導入する企業も増えています。

ただし、導入する際はメリットとリスクを把握し、自社の営業業務ではどの部分を委託するのかを明確にしておくことが重要です。また、注意点や代行会社を選ぶポイントも参考にし、自社とうまくマッチする代行会社を選ぶことで、企業にとってプラス要素となります。